法経学科

法経学科

川﨑 和治

研究活動

 大学院在学中、民事訴訟法における大きな論点の一つである抗弁論に関する問題を、フランス法を中心に模索してきた。現在でも抗弁論には深い関心を持ってはいるが、興味の対象は少しずつ変化をしてきている。現在興味がある問題は、日常生活の中で直面する法的紛争処理に関する法的リスクの問題である。

 法的リスクに関する研究は、法律学とは距離を置くリスクマネジメント理論を、法的紛争処理や紛争防止に活用しようとする学際的研究である。この研究領域においては、その基礎理論の確立と体系化が急がれるところである。現在、他大学の研究者とも連携して研究を進めているところである。

教育活動

 2013年度の担当科目は、民事訴訟法Ⅰ・Ⅱ、倒産法、紛争解決制度論、テーマ演習、基礎演習などである。民事訴訟法は、法律上の紛争に関して、当事者の意見の対立が収まらない場合、裁判所の判断によって結論を見いだそうとするものである。講義に際しては、どの様な立場と視点で紛争をみるのか、紛争当事者と裁判所の役割をどの様にみるのかという点を基底においている。

我部 聖

研究活動

 これまで私は、沖縄が近現代の歴史のなかで育んできた思想について、文学研究と思想史に足場を置いて研究してきました。大学院入学後は、1950年代の沖縄における文学表現(小説・詩歌・評論等)、具体的には大城立裕や『琉大文学』同人であった新川明・岡本恵徳の作品の分析に取り組んでいます。

 また山之口貘をはじめとする沖縄の表現者たちが、近代期に新たに導入された「標準語」で表現を試みるなかで、「沖縄語」と近代「日本語」とのあいだで引き裂かれるような葛藤を抱えながらも、独自の思想を開花させてゆく姿にも注目してきました。さらに、新川明の詩の分析を通じて、日本の植民地化の傷を負い続けている在日朝鮮人の詩人・金時鐘(キム・シジョン)の思想とのつながりが発見できました。

 こうした言葉を通じての文学思想史を今後も研究していきたいと考えています。『琉大文学』など文芸雑誌を中心に、アメリカ占領時代の沖縄文学史について同時代のアジアの動向や社会文化的な視点から検討し、また近代期についても伊波普猷や比嘉春潮らの言説を読みなおしながら取り組んでいきたいと考えています。

 近代・沖縄戦・米軍占領の歴史的記憶を「学びなおす」(屋嘉比収)ことを通じて、沖縄を思考する言葉の可能性について研究していきたいと思います。

小野 啓子

研究活動

 私は日本とアメリカで建築を学んだあと、都市計画プランナーとして、東京と沖縄で都市計画の実務に10年以上携わりました。道路の計画から自治体のマスタープランまで、さまざまなプロジェクトにかかわり、沖縄での代表的な仕事としては、那覇市の壺屋やちむん通りの道づくり(2003年度土木学会デザイン賞優秀賞等)があります。

 1998年からはオーストラリア・シドニー大学建築学部で南洋(太平洋地域)の日本人町研究をテーマとする博士研究に取り組みました。サイパンやパラオといったミクロネシアの島々は戦前「南洋群島」と呼ばれ、日本の委任統治領でした。製糖業を中心とした産業で栄え、最盛期には10万人近い日本人が暮らし、その6割が沖縄出身者であったことは沖縄以外ではあまり知られていません。2002年に博士論文を提出した後も研究を続け、ヤップ、チューク(トラック)、ポンペイ(ポナペ)、コスラエ(クサイエ)、マーシャル諸島でもフィールドワークを行い、現在これまでの成果をまとめているところです。また、その延長でハワイの製糖タウンの調査も進めています。さらに、2013年にはハワイの製糖業が衰退した後、広大なサトウキビ農地がどのように転用されているかについても調査を行いました。

奥山 正剛

研究活動

 アメリカ会計学の成立と発展に大きく寄与した学者にW.A.Patonという学者がいる。僕の研究のスタートはこの学者の学説研究ということになろう。もともと経済学者であったことから、経済学を取り入れた独特な会計理論が展開されている点で魅力がある。未だ納得できる成果が出来上がっていないことに忸怩たる想いである。

教育活動

 大学教員として始めて教壇に立ったのがこの沖大で、1980年であった。安良城学長の下、学界希望としての道を歩み始めさせてもらった。一時、本土の大学に席を移したものの、沖縄への思いが募り、戻らせてもらったという奇妙な履歴をもっている。担当している科目は一貫して「会計学」と「簿記」である。資格に関係していることから、受講生あるいはゼミの学生には、これらの資格取得希望者が多く、その指導が僕の教育活動の奥を占めている。

所属学会

日本会計研究学会、日本簿記学会、日本社会関連会計学会

大城 淳

研究活動

 人、企業、資金、、情報といった希少な資源がなぜごく一部の場所に集まるのか、そして政策立案者はこうした資源の偏在に対してどう振る舞うべきかを研究している。こうした研究に取り組む背後には、沖縄人がよりよい日々を送るにはどうすればよいのか、という問いがある。

 統計データを眺めると、近年の沖縄県では地方や島嶼地域の経済が停滞する傍ら都市部に経済活動が集中していることがわかる。特定の場所に多様な人が集まり住むと、経済が持続的に成長していくチャンスが生まれるはずだ。ところが、沖縄ではこうしたチャンスを生かし切れないばかりか、混雑のような集積の負の側面をマネージすることもままならない状況である。その原因と対策を練ることこそ私の生涯をかけて取り組むべき課題だ。

 私の専門である空間経済学は、数理的解析と統計的検証をもって経済活動の集合離散を解明する新しい学問領域である。私は集積や分散といった現象に対して我々がいかに向き合っていくべきか、実践的な処方箋を提供することに主眼を置いた研究を進めている。

ページ