経法商学科

経法商学科

谷口 友一

研究活動

 研究テーマは、株式会社の経営管理機構に対する規制の在り方について、主にイギリスの制度を比較対象に検討しております。上場会社のような大規模な株式会社の不祥事は、一国の経済全体に影響を及ぼすことになりかねません。そこで、大規模な株式会社の適法かつ効率的な経営を行うための経営管理機構をどのように構築するのか、我が国においては、主に会社法などの制定法(最近では「ハード・ロー」と呼んだりします)によって制度設計されてきました(現在は少し様子が変わりましたが)。他方で、イギリスにおいては、株式会社の経営管理機構に対する実体的な規制は、制定法による規制のみならず、証券取引所の上場規則のような「ソフト・ロー」と呼ばれる規制方式も重要な役割を担っております。この点に着目して、イギリスにおける株式会社の経営管理機構に対するソフト・ロー方式の規制について、その実体的な側面とそれを実現するためのエンフォースメントの両面について研究を続けているところです。また、ソフト・ローによる規制は、イギリスだけでなく、フランスやドイツ等のEU(欧州連合)加盟国においても幅広く導入されており、EUにおける規制手法も検討課題の一つとして関心があります。

津川 修一

研究活動
 私の研究テーマは財政政策を中心とした公共政策に関する理論分析であり,主要な研究テーマとしては「公平性や他国に与える影響を考慮した最適課税の理論研究」と「災害対策における財政政策の役割」の2つである。より詳細に言えば「納税者間の不平不満を抑えるという制約を織り込んだ最適労働所得課税と公共支出に関する研究」,「労働力が他国へ移動可能かつ賃金が変動する際の最適労働所得課税に関する研究」,そして「災害リスクの下での再分配政策」の3点が挙げられる。
 3つのテーマ全てにおいて言えるのは,理論的な分析を通じて財政政策に関する思考実験を行い,政策提言やそれを通じた世論形成および実際の政策へ影響を与え,より良い社会を目指すことです。財政政策は,国民全員が納税者であるが故に教育などと同じぐらい身近なものとして感じられる一方,財政制度の話となると規模が大き過ぎて曖昧な議論になることが多くなります。その中で経済学を用いた理路整然とした分析をすることで,説得力のある提言が政策研究を通じて行うことができ,日本が抱えている,またはこれから抱えるはずである重要課題について考察することが可能になると考えます。
教育活動

城ヶ原 貴通

研究活動
 琉球列島における小型齧歯類の保全学的研究、特定外来生物マングースの防除技術開発など、沖縄島をはじめとした島々の生物保全・環境に深く関わる研究を行うとともに、地域での講演会やイベントを積極的に行っています。
 小型哺乳類の保全学的研究では、沖縄島、奄美大島、徳之島にのみ生息し、絶滅危惧種で、国指定天然記念物でもあるトゲネズミ類を中心として研究を進めています。野生下での生活史や分布に関する研究を行うとともに、動物園などと協力した飼育下繁殖(生息域外保全)にも取り組んでいます。
 特定外来生物マングースについては、環境省や沖縄県が主体となって沖縄島・奄美大島での防除が進められています。その結果として、両島で生息数を大きく減らすことに成功してきました。一方で、低密度となったマングースを捕獲する技術開発など、より効率的な手法が求められています。そこで、マングースバスターズなどと協力し、在来種への影響の少ない罠の開発や化学的防除手法の開発などを行ってきました。
 琉球列島の生物保全にはまだまだ解決すべき課題がいっぱいあります。取り組むべき研究は尽きなさそう。
 
教育活動

島田 尚徳

研究活動

 行政学的な視点から、行政組織の研究や、政策研究を中心に行っています。
 例えば、米国施政権下時代の琉球政府の行政組織や職員について、資料やオーラル・ヒストリーなどを通して分析しています。シンクタンクにも勤務していましたので、沖縄県内の自治体の政策、特に産業・雇用政策の分析なども行ってきました。
 これらの研究の延長として、現在は、沖縄振興策と、その担い手(主に自治体職員の能力開発)に関心を寄せています。また、沖縄においては近年、「子どもの貧困」が「社会で解決すべき公共的問題」だと認知されつつあります。これは従来の「振興」の視点だけでは解決できない問題です。このような問題の解決こそ「公共」が担うべき役割かもしれません。沖縄振興策の分析を通して、今後の沖縄において「公共」が担うべき役割とは何か、という点についても研究していきたいと思っています。

 

石川 公彦

研究活動
私はこれまで、企業やその他の組織において、人と人とが取り結ぶ関係性や綾を分析し、それらが有する意味や価値を研究してきました。それはお金儲けの技術を直接的に追究するものではありません。お金儲けの技術は、日々、営利企業の現場で開発され、試みられ、磨かれていますが、それ以外の技術は副次的なものとされ、ともすると忘れられる傾向にあります。
一方、大学というところは、お金儲け以外の「意味」を第一にすくい上げ、その「価値」を示すことができる数少ない研究機関の1つです。それゆえ、大学人としての私は、単なるお金儲けにとどまらない意味や価値にもこだわって、人と人との関係性や綾の分析に取り組んでいます。
 
教育活動
教育というと、上から下へと教え込むもの、1つの方向へ導くものというイメージを抱きがちですが、わたしはそのような立場を好みません。学生のみなさんとともに、教え、教えられる関係を築きつつ、刺激的なシーンをたくさん作ることができればと思っています。実践的にも、理論的にも感動体験を共有して、その意味と価値を問いましょう。
 
所属学会

朱 愷雯

研究活動
大学院博士前期課程から、中小企業の会計に関する問題を中心として、研究を行ってきました。本研究は、日本およびアメリカ等主要諸外国における中小企業会計の理論構造の解明および当該会計制度の設計ならびにその有効性を検証し、中小企業会計の信頼性保証のあり方、そして、その保証業務がどの程度機能するかについて検討することを目的としています。
中小企業は、企業総数の9割以上を占め、産業の基盤、そして、地域の経済を支える存在となっています。近年、国民経済全体を活性化するために、中小企業会計の基盤強化を通じて企業活動の活性化を図ることが必要であると認識されるようになってきました。沖縄の地域経済の発展においても、このような研究は必要であると思っています。今後は中小企業における非財務情報の信頼性保証に関する課題に取り込み、本研究を発展させていきたいと考えています。
 
教育活動

前田 舟子

研究活動

 琉球王国500年の歴史を研究しています。研究方法として、①歴史史料の収集、②解読、③分析・考察を中心に行っています。琉球王国に関する史料の多くが、古文(候文)や漢文で書かれたものですが、近年では清朝時代に満洲語で書かれた史料が多く見つかっていることから、それらも研究対象としています。琉球史を研究するためには、候文と呼ばれる江戸時代の日本語を勉強する必要があり、また漢文を解読するためには基礎的な中国語も習得しなければなりません。このように、琉球王国はかつて、東アジア国際社会の一員であったことから、琉球の歴史を学ぶには多くの言語習得が欠かせません。外国語学習と史料分析を並行して行いながら、琉球王国の外交史や国内問題について考えています。

教育活動

 「中琉交流史ⅠⅡ」では、琉球史の中でも特に中国(明・清)や朝鮮王朝、東南アジア諸国と交流のあった歴史について紐解きます。その際、政治の中心であった王都首里と、国際貿易港として栄えた那覇に焦点を当て、それぞれの場所で展開された人的交流や貿易について、実際の琉球王国時代の史料を使って解説します。

糸数 哲

研究活動

 私はこれまで、島尻マージ(琉球列島に分布する赤土の一種)の母材に関する研究、森林の公益的機能の一つである洪水緩和機能の評価に関する研究、ならびに土砂災害発生時の水・土砂の氾濫範囲予測や避難経路の安全性に関する研究を行ってきました。
(島尻マージの母材に関する研究)島尻マージの母材が琉球石灰岩であるということは広く受け入れられているものの、琉球石灰岩以外(海成堆積物、粘板岩など)から成るとの指摘もあることから、琉球石灰岩と海成堆積物の両面から島尻マージの母材について調べてきました。
(森林の洪水緩和機能の評価に関する研究)森林が降雨流出に影響を与えることは知られているが、豪雨時の森林の洪水緩和機能については、いまだその評価が定まっていない状況にある。豪雨時の森林の洪水緩和機能を評価するため、100年に一度の豪雨イベントを対象に、降雨流出モデルを用いて洪水緩和機能に影響する因子の検討や評価を行ってきました。

岩垣 真人

研究活動

 私の専門分野は、財政法という領域です。この分野は、憲法と行政法の中間に位置するため、一方では憲法で財政のありかたを外側から規律する規範を参照しながら、他方で同時に、実際の財政の運用・運営はどのように行われているのかを、行政に関する法令を確認しながら、日々の検討を進めています。
 財政法の中でも、私が強く関心を抱いている内容を一言で言ってしまえば、「財政の民主的統制と専門性の関わり」、ということになります。従来、財政法において問題視されてきたのは、財政に対して十分な民主的コントロールがなされておらず、国民の要求に合致しない財政運営が行われている、ということでした。そのため、学界での関心の中心も、いかに財政に国民の声を反映させるかということや、いかにして国民が財政運営をしっかりと監視できる制度を構築するか、ということにありました。

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