吉本 篤人

研究活動

 過失(不注意)によって他人の法益を侵害した者は,その他人に生じた損害を賠償(弁償)する責任を負わなければなりません。これが日本民法の規定する「不法行為」の原則です。では,ここでいう他人の「法益」とは一体何を指しているのでしょうか。その答えは国毎に異なります。イギリスやドイツでは被害者本人の身体や財物に対する物理的加害がなければ,「法益」侵害があったとはいえずそれゆえ賠償請求できないという考え方が採られています。これに対し,フランスでは被害者に金銭的マイナスさえあれば加害者に賠償請求できるという考え方が採られています。日本民法では後者に近い考え方が採られていますが,そのような考え方が採られた理由を探る基礎研究を継続しています。

教育活動

 学部では「民法財産法ⅠA」「民法財産法ⅠB」および「民法財産法ⅢA」「民法財産法ⅢB」の講義を,大学院では「民法特論」という科目を担当しています。また,ゼミでは民法に関わる判例を学生達と一緒に読みこなし,裁判所が下した判断に対する賛成理由または反対理由を,それぞれ自分達の頭で考えることができるようになることを目指しています。

 「民法」という法律は,人と人との生活関係を規律する基本となる法で,私たちの日常生活にもっとも深い関わりのある身近な法律です。例えば,買った品物が不良品だった,代金を払ったのに品物が届かない,貸したお金を返してくれない,保証人の判子を押してしまった,交通事故で受けた被害を弁償させたい,夫婦が不仲になって離婚したい,親が遺した遺産をめぐって諍いになった,これらの各種の紛争を解決するためのルールを提供しているのが「民法」という法律です。守備範囲が非常に広くそれゆえに難しい法律なのですが,具体的な事例を多く挙げることで,初学者にも分かりやすい講義となるよう心懸けています。

所属学会

日本私法学会、沖縄法政学会

学外活動

国際協力機構(JICA)カンボジア民法・民訴法普及プロジェクト事務局研究員
カンボジア王国友好勲章の叙勲を受ける(2008年)。

著作・論文
  • ○「イギリス判例法における『純粋経済損失』に関する序論的考察」法律論叢82巻1号227頁(2009年)
  • ○「『純粋経済損失』に関する学説の検討――イギリス法における議論を中心に」法律論叢83巻1号269頁(2010年)
  • ○「『純粋経済損失』概念の意義に関する一考察」沖縄大学法経学部紀要16号25頁(2011年)
  • ○「不法行為法による経済的利益の保護とその態様(一・未完)――『純粋経済損失』の様相――」沖縄大学法経学部紀要19号25頁(2013年) ほか
所属: 
氏名: 
吉本 篤人
氏名アルファベット: 
YOSHIMOTO Atsuhito
写真: 
主な担当科目等: 
民事法学、民法
専攻: 
民事法学
最終学歴: 
明治大学大学院法学研究科民事法学専攻博士後期課程修了 博士(法学)
学位: 
博士(法学) 明治大学大学院法学研究科
生年等: 
1975年2月7日