朝崎 咿

研究活動

 公務員生活を経て研究生活に入りました。前職で培った行政の実務と、行政法学における理論の橋渡しをすることをめざしています。

 私の研究者としてのスタートは、1997年の情報公開制度及び個人情報保護制度(情報二制度)に関する研究です。当時、県内では那覇市そして沖縄県の2自治体だけが情報二制度を制定・施行していました。1998年、上司から同制度の導入に関する特命を受けた私は、制度設計に取り掛かり、2000年の制度施行に漕ぎ着けたものです。修士論文はもちろんのこと、これまでの私の論文は情報二制度に関するもので、このテーマは私のライフワークといえます。情報二制度は、あらゆる行政分野に横断的に適用される制度で、この意味では行政手続に関する法もまた同様です。

 行政手続は、行政活動の種類(行政立法、行政行為、行政契約、行政計画、行政指導等)によってさまざまです。いくつかの分類ができますが、中でも手続保障の目的により「国民(住民)の行政過程への参加手続」と「国民(住民)の権利保護の手続」が良く知られています。前者は国民主権あるいは住民自治に、後者は適正手続(due process)の観念に憲法上の根拠を有し、適正に実施されることによって、行政の活動に一定の民主的正当性を与え、同じく権利保護を目的とする裁判手続の不十分さを補完するという役目を果たします。

 県内の自治体における行政手続の実情はどうであろうか。県内自治体における行政手続法及び行政手続条例の施行状況を調査・分析し、必ずしも適正な施行がなされているとは思えない現状を提示し、同法、同条例の適正な施行に資することが、私の現下の関心事(取り組むべきテーマ)です。いずれの自治体の住民であるかという偶然によって、行政手続上の権利の保障に差があってはならず、いずれの自治体の住民に対しても、同法及び同条例による権利は保障されなければならないと考えるからです。

教育活動

 学部においては行政法、自治体実習及び自治体学入門(2014年度から開講)を、大学院においては行政法特論を担当しています。いずれの科目も、私の公務員としての経験や全国の自治体の具体的な事例をもとに、学生にとって分かり易い講義を心がけています。

所属学会

沖縄法政学会

学外活動
○自治体審議会委員
  • ・那覇市情報公開・個人情報保護制度審議会(会長)
  • ・浦添市情報公開・個人情報保護審議会(委員)
  • ・沖縄市情報公開・個人情報保護審議会(委員)
  • ・うるま市情報公開・個人情報保護審議会(委員)
  • ・恩納村情報公開・個人情報保護審議会(委員)
  • ・大宜味村情報公開・個人情報保護審議会(委員)
○研究会活動

・自治体職員の法務能力(立法法務を中心に)向上のため研究会を立ち上げ、月1回のペースで研究会を開催しています(会の名称は、「法務ROOM」)。自治体法務は、秩序維持型(1940年代後半~50年代:前史)から環境保全型(1960年代~70年代前半)、住民参加型(1970年代後半~80年代)、そして、分権推進型(1990年代~現在)へと変遷してきました(行政学者による分類)。1972年の本土復帰との関係で、前半の二つの時代を経験せずに後半の二つの時代に突入した県内自治体にとって、その経験値は、十分とはいえません。しかし、分権型社会への移行期にある現在、法務能力は、自治体職員にとって欠くことのできないものです。沖縄大学の「地域共創」の精神に立って、自治体職員とともに研鑽していきたいと考えています。

著作・論文

○著書 三好・鈴木編著『ポイント法学』(2008年10月 嵯峨野書院)

○論文 「情報公開制度における救済機関とその答申に関する考察」(2000年3月 修士論文)
     「浦添市の情報公開制度」(2000年3月)(『沖縄法政研究』沖縄法政研究所)
     「情報公開制度における存否応答拒否」(2003年3月)(『沖縄法政学会会報』沖縄法政学会)

所属: 
氏名: 
朝崎 咿
氏名アルファベット: 
ASAZAKI Kataru
写真: 
主な担当科目等: 
行政法
専攻: 
行政法、自治体実習
最終学歴: 
琉球大学大学院人文社会科学研究科応用法学 (法学修士)
モットー: 
日々苦悩し、努力すること (苦悩に充ちた未完成こそが人間の姿であり、 完成は人間の終焉である)
学位: 
琉球大学大学院人文社会科学研究科修了 (法学修士)
生年等: 
1952年3月1日