吉川 博也
研究・アクション リサーチ
私が沖縄に初めて来たのは、本土復帰した1972年で混乱していたが大変、活気のある時代だった。それは県の委託「沖縄県土地利用基本計画(主査・阿部等、当時、東工大)」の研究・調査が目的だった。
その後、第一次振興開発の専門員をしたこともあり、沖縄には200回以上も通うことになった。また、「与那国 交流シンポジウム(1987年)では中国(アモイ) 台湾(花蓮) 与那国の交流を支援し、また1990年フェリー“よなぐに”によって町民を花蓮に値行させることが実現した。そして1995年より家内と猫と一緒に移住し、沖縄大学に奉職することになった。2008年3月に定年退職したが、大学院の新設に関わったことも、思い入れもあり現在も講義を担当している。
さて私は、この40年間、沖縄の研究・調査を続けてきた。しかし、果たして研究対象地域に住んでいる人々の生活に役立ってきたのであろうか。このことを思うといつも研究の空しさを感じる。
そこで私は、「アクション・リサーチ」という研究方法を提案、実践することにした。それは、研究の成果を政策提言として社会に働きかけ、その結果やリアクションをフィードバックし、さらに研究を深めようとするものである。
1995年、本土の大学から沖縄大学へ赴任して19年間、この「アクション・リサーチ」を展開し、また沖縄の企業支援を私なりに懸命に取組んできたつもりである。
現在は退職後も、地域の特性(気温など)を活用し「沖縄だからこそ、本土メジャーに勝つ」というビジネス・モデルに取り組んでいる。
現在の取組み
昨年(2013年11月)日本ベンチャー学会第16回全国大会(アジアの架け橋、沖縄)が沖縄で開催され実行委員長を務めさせていただいた。
所属学会(学内・外)
沖縄大学(大学院)・非常勤講師
著作・論文
- 1.「沖縄の生き残りをかけて」『琉球タイフーン』企業情報バンク(2011年1月~2014年3月)連載
- 2.「与那国・中国・台湾の三角貿易構想〔「もう一つの外交」としての国境地域政策〕」『日本の国境地策』岩下明裕・ 8編』藤原書店(2012年3月)
- 3.「地域に適した多様な分散型バイオ燃料-もう一つの地産・地消の試み-」『地域開発Vol.536』(2009年5月)
- 4.“Coming up Business Chance ,Promotion of Jatropha with Biofuel,” Monthly Oleochemical (Nov.2008)
- 5.“Regional Promoter upbringing ,Educational Program”『法経学部紀要 第8号』(2007年3月)
- 6.「新沖縄学体系化試論」『沖縄関係学研究会論集 第9号』(2006年3月)
- 7.「沖縄・台湾・福建経済圏の構想と実現化」『東アジアレヴュー1997年7月号』(1997年7月)
- 8.『沖縄大交易ルネッサンス』共著、社会評論社(1996年)
- 9.「国際化時代の地域開発-ボーダレス経済立論」『地域開発Vol.376』(1996年1月)
- 10.“Strong Time with China,”By The Way Vol.5 No.4(Jul.1995)
- 11.「沖縄の国境戦略-辺境の逆転、与那国開港」『地域開発Vol.308』(1990年5月)
- 12.『那覇の空間構造-沖縄らしさを求めて』沖縄タイムス出版(1989年)
- 13.『与那国-島の人類生態学』三省堂(1984年)
- 14.『環境アセスメントの基礎手法』鹿島出版(1975年)
受賞
2007年度中小企業長官賞、Japan Venture Awards (創業・ベンチャー国民フォーラム、2007年)、第12回沖縄研究奨励賞(財・沖縄協会、1991年)、第10回沖縄タイムス出版文化賞(沖縄タイムス社、1989年)、国際協力学術奨励賞(財・国際協力推進協会、1980年)、環境賞(株・日本工業新聞社、1975年)、創立記念懸賞論文主席(財・日本地域開発センター、1969年)

同商学研究科・博士課程中退