研究科長あいさつ

研究科長あいさつ

 沖縄大学大学院は2005に開設されました。わたしは開設時から、この大学院に関わらせていただいていますので、「大学院と共に歩んできた」と、多少の自負を持って申し上げることができるでしょう。

 沖縄大学大学院は、地域経営専攻と沖縄東アジア地域研究専攻という二つの専攻から成り立っていますが、学生数で見た場合1学年の定員が10人(各専攻5人ずつ)、修士課程全体で20人(各専攻10人ずつ)という小規模の集団あるいは組織です。沖縄大学の学部は1学年定員500人弱、学士課程4年全体で2,000人弱ですから、その何十分の1という規模です。

 しかしながら、組織規模の大小や学生数の大小で、その組織の価値が決まるものではありません。そこに集う人たちのエネルギーや能力、そして大学院であれば、そこに在籍し、あるいはそこを修了しての、各人の社会的活躍こそ、その集団や組織の価値を決めるのではないでしょうか。

 わたしが研究員として在籍した大学(イギリスのオックスフォード大学)は学部生数と大学院生数の割合がほぼ半々(それぞれ約1万人)でした。この大学のように大学院生の割合が非常に高いということは、研究に力を入れていること、社会を先導する人材を多数輩出していることとほぼ同義と言えるでしょう。

 有為な人材の養成が社会の原動力になるのは、言うまでもありません。つまり大学院は、その存在そのもの、あるいはそこに集う人たち自身が、良い意味での大きな潜在的可能性と社会的影響力を持つのです。

 沖縄大学大学院が、現在そして将来にわたって、持続的に優秀な人材を社会に送り出す使命の一翼を担えるとすれば、小規模であっても光り輝く存在たりえます。事実、20歳代前半から70歳代までの幅広い年齢層の本大学院で学ぶ学生は、各自が高い目的意識を持ちながら日々研鑽に励み、大学院修了後は養った能力を生かして各分野で活躍しています。さらなる研鑽を積むために、他大学院の博士課程に飛翔する修了生も出はじめています。

 沖縄大学大学院には博士課程が設置されていないために、2年(最長4年)という短い期間しか在籍が許されないのは残念ですが、その2年という期間を最大限に生かして自分を高めている学生の姿を、本大学院に関心のあるすべての皆さんに見ていただきたいと希望します。それは、研究への情熱と研究成果の実践をかきたてる良い刺激となるでしょう。

 わたしたち教員をはじめ沖縄大学大学院に関係するすべての者が、本大学院で学びたい皆さんのために万全の準備を整えています。多くの皆さんが、本大学院で充実した研究生活を送られるよう願っています。

研究科長 小西吉呂