玉木 千賀子

教員紹介

人文学部福祉文化学科

玉木 千賀子 (TAMAKI Chikako)

所 属人文学部 福祉文化学科
専 攻ソーシャルワーク
生年等1965年生
学位(発行機関)博士(社会福祉) 東北福祉大学大学院
モットー一歩ずつ着実に前進する
研究活動

 ソーシャルワークの支援を必要としている人の尊厳に基づいた支援のあり方に課題認識をもち研究活動をおこなっています。現在、取り組んでいるのは、生活に脆弱性のあるヴァルネラヴィリティと呼ばれる人々の意向確認に焦点化した研究と地域生活支援を担うソーシャルワーク専門職の実践力向上のための研修のあり方に関する研究です。

 これまでのソーシャルワークは、主として自らの生活困難と支援の必要性を言語によって表現することが可能な人と契約を結び、支援を展開するという考え方に基づいて取り組まれてきました。しかし、生活困窮者自立支援法の対象者に見られるように、ソーシャルワークの支援を必要としている人は、困難な状況に対処する力をもつ人ばかりではなく、言語を用いて自らの生活の困難を表すことができないために支援が利用できない人々が存在します。そのような状況にある人々は、支援を求めようとしても、他人の目が気になる、人と関わることに対する不安や怖さがある、支援を利用して問題を解決する気力がないなど、傷つきやすさ、社会生活を送るうえでの脆弱性をもち、これらの状況が福祉サービスやソーシャルワークの支援機関への結びつきにくさを増幅させています。これら、ヴァルネラヴルな状態にある人が抱える生活のしづらさの実態を明らかにするとともに、生活への願いや支援の要望の表出を支援するためのアセスメントの視点と枠組み、相談援助面接のあり方など、これまでのソーシャルワークでは支援から取り残されがちな人々に対する支援の検討がソーシャルワークにおける「人間の尊厳」の実現に結びつくと考えています。

 もうひとつの研究テーマ ─ ソーシャルワーク専門職の教育・研修のあり方に関しては、人々の社会生活支援におけるソーシャルワーク実践が、制度・政策から要請される役割やそれを遂行するための方法論への関心が先行し、ソーシャルワークの価値観に根ざした実践のあり方に課題があるのではないかという認識に基づくものです。この点を地域包括支援センターや居宅介護支援事業所の介護支援専門員等の支援者と共有して研修を企画・実施し、理論的・実践的考察をおこなっています。

 

教育活動

 ソーシャルワークの基礎的な考え方や態度を学ぶための「相談援助の基盤と専門職」、「相談援助演習」などの科目を担当しています。これらの講義・演習では、人が困難に直面しているときに、それを支えることができる専門職としての自己の養いができるよう、他者を受けとめて、その理解に努め、人と人とが支え合う関係をつくることができる真摯な姿勢、柔軟な思考と活動、社会福祉の課題を社会に発信できる力を培うことなどを意識した教育に取り組んでいます。

 

所属学会

 日本社会福祉学会、日本地域福祉学会、日本ソーシャルワーク学会等

 

学外活動

 地域包括支援センターの支援者および介護支援専門員等との支援事例を用いた研修会の企画・実施、ソーシャルワーク実践者に対する研修、市民介護相談員なは理事、那覇市社会福祉審議会委員等

 

論文

○ソーシャルワーク実践における福祉サービスを必要とする人のサービス利用及びその意 

 向確認のあり方に関する研究─ヴァルネラヴルな人の「生活のしづらさ」の形成要因に

 焦点化させて 東北福祉大学大学院総合福祉学研究科博士課程学位論文(2018)

○ヴァルネラヴィリティに対する意向確認についての考察─社会福祉制度の動向にみる支

 援を必要とする人の意向確認のあり方─ 沖縄大学人文学部紀要第19号(2017)

○問題解決アプローチの支援枠組みに関する考察─個人の尊厳というソーシャルワークの

 視点から─ 沖縄大学人文学部紀要 第18号(2016)