加藤 慶

教員紹介

人文学部福祉文化学科

加藤 慶 (KATO Kei)

所 属人文学部 福祉文化学科
専 攻ソーシャルワーク(地域を基盤とした実践・HIV/LGBT領域)、ソーシャルワーク教育
生年等1980年
学位(発行機関)修士(社会福祉学)・[明治学院大学] 修士(学術)・[横浜国立大学]
モットー書を読み、街へ出よう
研究活動や教育活動 
 相談援助実習指導や相談援助演習といった、ソーシャルワーク専門職として理論と実践の統合をはかる科目を担当しています。
 私の研究テーマは、ソーシャルワーク専門職(社会福祉士・精神保健福祉士)として、人々のウェルビーイング、つまり幸せの維持、向上のための方策を探求することです。日本の社会福祉制度が対応していない、制度の谷間にある課題や、当事者主体の社会サービス提供のあり方について特に関心をもっています。
 この数年は、地域を基盤としたHIV感染予防の実践と研究をしています。今日、医学の発展により、HIVは、感染したとしても完治しないけれども、きちんと治療を受け続ければ、うまく付き合って生活していくことのできる「慢性病」ともなりました。そのため、HIVの早期発見・早期治療という二次予防の取り組みが、医療関係者を中心に、製薬会社の支援も含めて、盛んに行われるに至っています。確かに早期発見・早期治療はとても重要なことです。成果も数字で現れやすいところでしょう。多くの社会資源が早期発見・早期治療にシフトしていく中で、私には、HIV感染の拡大の背景にある社会的要因への対応が後回しになっていくのではないか、という問題意識が強くあります。HIV感染リスクは、性的指向や人種などの社会的に脆弱な人々、つまり差別偏見の対象ともなりやすいことが大きく影響しています。そのため、当事者として社会に声を出しにくく、当事者の権利意識も低くなりがちです。しかし、当事者の方々は決して無力で弱い存在ではありません。困難を跳ね返そうとする、多くの力を有してもいます。早期発見・早期治療は確かに重要なことですが、そもそもHIVに感染しない社会環境の形成をはかること、当事者のもつ予防の力や、予防要因を増大・促進し、そもそも感染しないことこそが、当事者の方々にとっては最も利益が大きいと、実践を通じて学びました。
 現在は、このような問題意識をもとに、国際社会や欧米の先行する研究知見をもとにして、日本における、当事者の方々の困難を跳ね返そうとする力や強みに焦点をあてた、健康増進・疾病予防に関する社会福祉実践の方法、性的マイノリティ(LGBTQ)の方々に関する援助方法について、実践と研究をしています。そして教育活動においても、学生自身が自らの環境の強み、力に気が付くことで、力をより発揮できるよう、支持的なかかわりを大切にしています。
 
所属学会
日本社会福祉学会 
日本ソーシャルワーク学会
日本社会福祉教育学会
日本社会福祉士会
日本精神保健福祉士協会
日本ソーシャルワーカー協会
 
学外活動

公益財団法人日本社会福祉士会アドバイザー
一般社団法人沖縄県社会福祉士会 生涯研修制度(基礎研修)
「地域開発・政策系科目Ⅰ」講師
認定社会福祉士認証・認定機構 登録スーパーバイザー
認定社会福祉士社会福祉士(地域社会・多文化分野)
日本社会福祉教育学会 査読委員(2018年~)
 

著作・論文等

【著作】

加藤慶・渡辺大輔編著(2012)『セクシュアルマイノリティをめぐる学校教育と支援増補版:エンパワメントにつながるネットワークの構築にむけて』開成出版

 

【論文】

○加藤慶(2006)「新聞メディアにおける『性同一性障害』表象」『技術マネジメント研究』5(1),p.55-65.

○加藤慶(2013)「国連・ユネスコ・IFSW及びアメリカにおける同性愛の子どもに関する対応」『社会福祉学』37号,p.43-51.

○加藤慶(2014)「アメリカにおける性的指向・同性愛に関するソーシャルワーク専門職養成教育―日本における社会福祉専門職養成教育の検討を目的として―」『社会福祉学』38号,p.11-18.

○加藤慶(2015)「アメリカにおける男性同性愛高齢者の特徴と社会サービスの提供に関する研究」『社会福祉学』39号,p.33-38.

○加藤慶(2016)「Men who have Sex with Men(MSM)へのHIV感染予防に関する文献レビュー」『ソーシャルワーカー』15号,(日本ソーシャルワーカー協会).p.47-55.

○加藤慶(2017)「性的マイノリティに関する日本のソーシャルワーク教育の現状と課題」『ソーシャルワーカー』16号,(日本ソーシャルワーカー協会).p.45-52.

○加藤慶(2018)「成人期前期における性行動をめぐる社会的要因の特徴-ソーシャルワークにおける課題理解の基盤をもとに」『精神療法』(金剛出版)44(5),p.639-642.

○加藤慶(2019)「日本の社会福祉学における保健・公衆衛生に関する研究-保健医療ソーシャルワークと保健福祉学に焦点をあてて」『沖縄大学人文学部紀要』22,p.15-24.

○加藤慶(2019)「アメリカにおける公衆衛生ソーシャルワークに関する研究」『沖縄大学人文学部紀要』22,p.25-36.

○加藤慶(2011)『沖縄県における男性同性愛者へのHIV感染予防介入に関する研究』(厚生労働科学研究 エイズ対策研究事業・主任研究者 加藤慶) 平成20年度-平成22年度 総合研究報告書

 

【報告・講演等】

○加藤慶(2016) 「『性的マイノリティ(LGBTQ など)に関するソーシャルワークのあるべき姿』 ~ソーシャルワーク専門職のグローバル定義と人権の視点から考える」全国社会福祉教育セミナー(日本社会福祉教育学校連盟,日本社会福祉士養成校協会,日本精神保健福祉士養成校協会主催) 千葉県・淑徳大学

○加藤慶(2017)「北海道HIVソーシャルワーク研修」(北海道主催) 北海道・国立大学法人北海道大学

○加藤慶(2018)「LGBTとソーシャルワーク」ソーシャルワーカーデー中央イベント(日本ソーシャルワーカー連盟主催) 東京・文京学院大学

○加藤慶(2019)「貧困問題・生活困窮者支援ソーシャルワーク全国実践フォーラムは」(公益社団法人日本社会福祉士会主催) 東京

 

【その他】

○加藤慶(2015)「『性的マイノリティ』の子どもへの対応」『月刊教職研修』2015年8月号(教育開発研究所)

○加藤慶(2018)「連載 LGBTとソーシャルワーク」『PSW通信』(公益社団法人日本精神保健福祉士協会・機関紙)

○加藤慶(2018-2019) 琉球新報 コラム「未来へいっぽにほ」連載