糸数 哲

研究活動

 私はこれまで、島尻マージ(琉球列島に分布する赤土の一種)の母材に関する研究、森林の公益的機能の一つである洪水緩和機能の評価に関する研究、ならびに土砂災害発生時の水・土砂の氾濫範囲予測や避難経路の安全性に関する研究を行ってきました。
(島尻マージの母材に関する研究)島尻マージの母材が琉球石灰岩であるということは広く受け入れられているものの、琉球石灰岩以外(海成堆積物、粘板岩など)から成るとの指摘もあることから、琉球石灰岩と海成堆積物の両面から島尻マージの母材について調べてきました。
(森林の洪水緩和機能の評価に関する研究)森林が降雨流出に影響を与えることは知られているが、豪雨時の森林の洪水緩和機能については、いまだその評価が定まっていない状況にある。豪雨時の森林の洪水緩和機能を評価するため、100年に一度の豪雨イベントを対象に、降雨流出モデルを用いて洪水緩和機能に影響する因子の検討や評価を行ってきました。
(土砂災害発生時の避難経路の安全度に関する研究)土砂災害の発生による人的被害の防止・軽減を図るため、警戒避難体制の強化が進められているが、土砂災害発生時の避難経路の安全度を事前に把握しておくことは重要である。土砂災害発生時の水・土砂の氾濫範囲を予測し、避難経路の安全度を検討するために、数値シミュレーションモデルを用いて土砂災害発生時の避難経路の安全度についての検討を行ってきました。

教育活動

 「沖縄の地理」、「地理学」、「地誌Ⅰ・Ⅱ」、「人文地理学Ⅰ・Ⅱ」、「問題発見演習Ⅰ・Ⅱ」、「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」を担当しています。本学が立地する沖縄県は、特色ある自然環境を有し、独特の文化が形成されています。「沖縄の地理」の講義では、沖縄の環境と生活文化とのかかわりについての理解を深め、沖縄における環境問題の課題解決の方策を考えることを通して、地域社会と向き合い、未来を創っていく能力をもった人材を育成していきたいと考えています。地理学とは、自然環境や社会環境と人間生活(生活文化)とのかかわりを明らかにする学問であり、古くて新しい学問分野です。「地理学」の講義では、環境と生活文化とのかかわりだけでなく、環境問題等の地球規模的な課題の解決や自然災害に対する防災・減災対策についても考え、社会に貢献しうる人材を育成していきたいと考えています。「地誌」の講義では、日本国内や海外の地域的特色について学び、「人文地理学」の講義では、農業・工業・集落・人口などの現状や課題について考えることで、人間社会や自然環境に関する幅広い教養をもち、複眼的な思考ができる人材を育成していきたいと考えています。「問題発見演習」・「基礎演習」では、地理学的視点から地域社会の現状を把握し、自ら設定した課題について調査・考察を行うことを通して、生涯にわたって主体的に学び続けることができる人材を育成していきたいと考えています。

所属学会

沖縄地理学会、日本地形学連合、砂防学会

著書・論文等
  • ○糸数哲,恩田裕一,太田岳史,杉盛啓明,芝野博文(2007):植生回復程度の異なる山地小流域における土砂流出特性,砂防学会誌,第60巻第3号,p.11-18.
  • ○糸数哲,小杉賢一朗,恩田裕一,蔵治光一郎,田中延亮,後藤太成,太田岳史,水山高久(2013):通常降雨イベントにより同定されたタンクモデルを用いた豪雨イベントの再現精度,水文・水資源学会誌,第26巻第2号,p.85-98.
  • ○Itokazu, T., Kosugi, K., Onda, Y., Kuraji, K., Tanaka, N., Goto, M., Ohta, T., and Mizuyama, T.(2014):Characteristics of storm runoff in small granite catchments having different vegetation recovery conditions, Peer-reviewed proceedings In: M. Fujita et al. (Editor), INTERPRAEVENT2014, International Research Society INTERPRAEVENT, P-27.
  • ○糸数哲,中谷加奈,山野井一輝,長谷川祐治,藤田正治(2016):流路工等の構造物が土石流の氾濫範囲に及ぼす影響,第8回土砂災害に関するシンポジウム論文集,p.241-246.
  • ○糸数哲,中谷加奈,山野井一輝,長谷川祐治,藤田正治(2016):土石流シミュレータを用いた土石流発生時の避難経路の検討,京都大学防災研究所年報,第59号B,p.420-425.
所属: 
氏名: 
糸数 哲
氏名アルファベット: 
ITOKAZU Tetsushi
写真: 
専攻: 
地理学、沖縄の地理
最終学歴: 
名古屋大学大学院生命農学研究科博士後期課程満期退学
モットー: 
slowly but steadily