上門 清春

研究・教育活動

 「生物教師」として県立高校に採用され、38年間勤めた教職を平成17(2005)年3月31日を以って無事退職した。平成17年4月1日付で、本学客員教授を拝命し、現在に至る。

 私は、高校の生物教師としての教育理念を、「郷土の自然」の教材化に据えていた。高校生に生物を教えながら、常に志したのが、「郷土の自然」の教材化であった。高校教科書の中の生物教材は、本土の生きものたちが中心で、沖縄の生物は殆ど取り扱われていないのが現状であった。それをカバーするために私の研究活動は、「郷土の自然調査とその教材化」であった。これまで取り組んできた研究対象は、「潮間帯の生物」、「水棲動物」や「土壌動物」である。潮間帯の生物については「生物の垂直分布や水平分布」の教材化、水棲動物については、「水環境の汚染の度合」を測る指標生物の教材化、土壌動物については、生態系における「平衡や循環」、「自然の豊かさの指標」としての教材化を行い、生物現象の学習や生態系を中心とした環境学習にも大いに活用し、その成果を得た。今後も郷土の自然の研究と教材化に努めたい。

 わが国は、イタイタ病などの公害病に代表されるように、公害先進国として大変悲惨な体験をしてきた。これらのかつての環境問題と今日の環境問題との最も大きな違いは、今日の環境問題は、私たち自身が環境を汚す加害者とそれによる被害者の両面を持っていることである。だから今日の環境問題は、私たち自身の問題として捉えることが必要である。二酸化炭素による地球温暖化、フロンによるオゾン層の破壊、酸性雨による森林破壊など、地球規模での環境問題は、人類や地球の将来を危うくするほどの重要な問題であるが、私たち一人ひとりがそれらの事について身近な問題として認識しているのでしょうか。「今の地球環境や身近な環境はどうなっているのか」、「このままだとどうなると予想されているのか」、「その原因と私たちの暮らしとの関係はどうなっているのか」等、常に課題意識をもって日常生活の仕方について配慮する必要がある。

 環境問題は、人間の「愚かさ」と「知恵」との戦いです。すなわち、自分勝手な生き方(エゴライフ)と他者にも配慮した生き方(エコライフ)との競争です。「自然界のしくみ」を知らない愚かさが自然界を破壊し、環境問題を引起こすのである。環境学習は小・中・高校で既に学習済みですが、環境問題は、「自然界のしくみ」のバランスが個人の生活や企業の活動によってアンバランスになることです。このアンバランスをバランスにするには、時間と金のかかる至難の業です。企業は環境や安全に配慮した社会的責任を、私たちは環境に配慮した生活をしなければなりません。そのためには、環境のことを科学的に学び、自然と人間との関係を正しく理解し、自分たちが生活しているということがどういうことなのかを知り、今までと少し違った、環境にやさしい生活や生き方ができるように、「理論に基づいた体験」、「体験に基づいた理論」を中心に据えた教育活動と研究活動に頑張りたい。

所属: 
氏名: 
上門 清春
氏名アルファベット: 
UEJYO Seishun
写真: 
主な担当科目等: 
生物学(動物学)
専攻: 
生物学(動物学)
最終学歴: 
琉球大学文理学部生物学科
その他基本情報: 
最終学歴 琉球大学文理学部生物学科
生年等: 
1944年生