2018年度沖縄大学・大学院入学式を挙行しました。

2018年度沖縄大学・大学院入学式を挙行しました。

2018.04.02

4月1日本学体育館にて2018年度入学式を行い、学部・大学院の新入生535名の入学が認定されました。

学長の入学認定ののち、在学生が英語・中国語によるスピーチで歓迎しました。

英語スピーチ

人文学部国際コミュニケーション学科2年次 城間梨歩さん、仲松夕里菜さん、こども文化学科 2年次 久高優菜さん

中国語スピーチ

人文学部国際コミュニケーション学科2年次 上地 英理奈さん、玉那覇 貴子さん、比嘉 康太さん、宮良 優輔さん

新入生代表挨拶

人文学部福祉文化学科の儀間泰清さんが「新たな仲間と共に、4年間の大学生活を有意義で充実した日々にすること」と誓いました。

学長式辞

 

≪2018年度沖縄大学入学式学長式辞≫

本日ここに那覇市長城間幹子様、同窓会会長友利浩様、後援会会長嘉数昇明様はじめ、多数の皆さまのご臨席を賜り、2018年度沖縄大学の入学式を挙行できることは誠に慶びに堪えないところでございます。

先ほど入学を許可しました法経学部242名、人文学部284名、大学院現代沖縄研究科9名、計535名の皆さん、ご入学おめでとうございます。ご列席のご父母そしてご家族の皆様にも、心からお慶びを申しあげます。国公私立併せて全国に800近い大学(短大除く)の中で、この特色ある大学―沖縄大学に集うことを、沖縄大学全教職員、同窓会そして後援会など関係者全てが大変嬉しく思っています。

沖縄大学は今年6月創立60周年を迎えます。沖縄では琉球大学に次ぐ古い歴史を持つ大学です。皆さんはその記念の年に入学しました。入学にあたり皆さまには沖縄大学の歴史を知っていただきたいと思います。

[沖縄大学の創設] 沖縄大学の設立母体となった財団法人嘉数学園が設立されたのは、1956年(昭和31年)です。そのころ、沖縄が米軍の統治下にあったことは皆さんもよくご承知のことと思います。この年アメリカのアイゼンハワー大統領が沖縄基地の無期限保有を宣言しました。翌57年には、琉球列島の最高法規である大統領行政命令が発布され、この命令に基づき沖縄の帝王と呼ばれた高等弁務官が着任します。

そして、その翌年沖縄短期大学が開学した1958年には、通貨がアメリカドルに切り替えられました。アメリカという国にがんじがらめに組み込まれていくような時代で、住民代表の議会である立法院は、「祖国復帰」の決議をする気力さえ萎えていた時代です。

そういう時代に沖縄大学は産声を上げました。創設者の嘉数昇先生は、何を願ってこの学園を作ったのでしょうか。嘉数先生は次のように述べています。「沖縄の歴史の推移、痛ましい戦争の影響、本土から遠く離れた地理的ハンディキャップ、冷戦の谷間で異民族支配下にある異常な立場、(冷戦とは、実際に砲弾がさく裂するのではないが、アメリカとソビエト連邦を盟主とする二つの陣営が東西に分かれて対立した時代です)これらの要素が総合されてもたらしている沖縄の政治経済文化の特殊性、このような異常な風土と環境は、ともすれば、沖縄の人心にイビツな卑屈感、事大思想を植えつけてしまう」と。こういう時代背景の下で、沖縄大学が育てようとしているのは、「自分たちの郷土に誇りと愛情を抱く人間、一途に精進する進取の気性の持ち主」だと述べているのです。

そしてまた大学の持つべき役割についてはこう述べています。「沖縄の現状における極めて大きい課題は本土復帰であろう。この課題解決を促進するためにも、沖縄が日本全体の視野の中で、積極的に主張できる存在価値、さらに積極的に演じられる役割を発掘し創造しなければならないのだ。その発掘と創造の活動においても、沖縄大学は、それこそ名前の「沖縄」を体現するために指導的役割を果たすべき大きな責任がある」と。

創設者の願いを要約すると、沖縄大学は地域の課題に取り組むことを使命とし、地域に愛情を持つ人材を育成するということです。今日全国で多くの大学がその理念として地域貢献をうたいます。地域創成学科、地域行政学科、地域デザイン学科などがあちこちの大学に生まれています。流行といっていいほどです。それに対して沖縄大学は生まれながらにして地域とともにある大学でした。

「都市問題」という専門雑誌があります。去年の2月号の特集テーマが「地域の中の大学」です。その中で小林功英(こうえい)さんという大学関係の専門家がそのものずばり「地域共創」というテーマで書いておられます。全国の大学で、地域共創のユニークな活動をする大学を7大学取り上げていますが、その一つが沖縄大学です。沖縄大学は、地域活動で注目される大学なのです。

60周年記念事業】先ほども述べましたが、今年6月10日沖縄大学は60周年を迎えます。それを記念する事業が只今進行中です。まず一つはアネックス共創館の整備です。キャンパスから徒歩6分の所にアネックス共創館をオープンしました。アネックス共創館は地域に開かれた諸行事を行います。小さいですが人口芝を貼ったグラウンドがついています。

二つ目が学内食堂の開設です。本館の多目的学習室の上の階を現在改装工事中です。後援会の支援で大変安い値段でお昼ご飯を食べることができます。

三つ目が本館1階に歴史資料展示スペースを作ります。沖縄大学の歴史が目で見えるようにしたいと計画しています。例えば46年前米国から日本へ沖縄の施政権が返還されたとき、文部省は沖縄大学を大学として認めず、廃校の危機に瀕しました。苦しい存続闘争が始まります。県民の支援を得て存続を勝ち取りめでたく60歳を迎える今の沖縄大学があります。その歴史をぜひとも学んでいただきたいものです。

本日特に述べたいのが、本学の同窓会です。この入学式にも同窓会の役員の皆さまが多数ご列席ですが、本学に寄せる熱い思いをぜひとも知っていただきたく思います。沖縄大学にはかつて学園歌がありましたが現在うたわれておりません。在学生卒業生がともに歌える歌があればいいと、お二人の先輩が、60周年を記念し学生歌を贈呈して下さいました。澤田清先輩は、「郷里共創の旗掲げ」を、幸地正博先輩は「永久の輝き」です。ふたつとも沖縄大学の理念と誇りを歌いあげています。今日の式典の始まる前に会場に流れていたのがこの2曲です。

また昨年は、同窓会有志が中心となり「沖縄大学支援同志会」が設立されました。物心両面の支援が目的です。同窓会の期待に応える元気な学生を育てたいと思います。

沖縄大学の今】60年は人間でいうと還暦です。人生の節目で新しいスタートを意味します。沖縄大学は、上り調子の中で還暦を迎えます。昨年度教員採用試験は、卒業生を含め38名が合格しました。行政書士試験は在学生が3名合格しました。法経学科のゼミ学生が執筆し編集した「沖縄の業界地図2017」(業界地図というタイトルの書籍です)は、6千部を売り上げ沖縄関係書籍では驚異的ベストセラーになりました。スポーツ系のクラブも硬式野球部、空手道部、サッカー部、男子バスケットボール部等が県内外の大会で優勝するなど活躍しました。

来年4月に向け新しい学部「健康栄養学部」の設置を準備中です。沖縄大学は県都那覇市に理科系学部を持つ総合大学へと一歩を進めようとしています。

[沖縄大学憲章]沖縄大学は、大学の教育研究の理念を「大学憲章」として定めておりますが、憲章はこう述べています。「沖縄大学は、地域に根ざす大学として沖縄にしっかりと根をおろし、教育と研究の相乗効果で沖縄の活性化に尽力し、そのことを通じて学生を教育し大学の活性化をはかります。

外国人を含む沖縄県外から来られた皆さん、沖縄大学のこのような姿勢は、皆さんを視野の外においているわけではありません。沖縄大学での学びは、必ずや皆さんの視野を広め、それぞれの地域の中核的人材へ成長させるでしょう。沖縄で育ち、北海道で学んだ私がそのことを保証します。

[結語]最後になります。沖縄大学は、60名余の専任教員、100名の職員、200名の非常勤の教員が全力で教育に当たります。皆さんが意欲をもって取り組めば大いに効果があがり、かならずや新しい世界が広がっていきます。4年後の卒業式、編入や大学院入学の方は2年後あるいは3年後の卒業式の時に、我が大学生活に悔いはないと総括して卒業できるよう、充実した楽しい大学生活となることを祈念しております。大学は全力を挙げて皆様の教育にあたることをお約束して、学長式辞といたします。

 

2018年4月1日 

沖縄大学学長 仲地博