赤土対策で農地保全事業
県八重山支庁
轟川上流の盛山地区で
今年度から5年継続 ろ過排水路など設置

 農地からの赤土流出を防ぐため、八重山支庁は本年度から5年間かけて、轟川の上流域にある石垣市盛山地区の農地27ヘクタールで水質保全対策事業を実施することになった。耕地の傾きを緩やかにしたり、赤土を濾(こ)し取るための瀘(ろ)過排水路を設置する計画。概算事業費4億6100万円は、国と県で負担し、受益農家の負担はない。ただ、こう配の改良工事などを行う期間は耕作ができなくなるため、同支庁では受益農家を対象にした説明会を5月末に開き、理解を求めていく考え。

 今後のモデルケースに
 これまで研究機関などが行ってきた赤土流出の実態調査の結果、轟川を通じて海に流れ込む赤土のほとんどは、農地から流れ出しているとみられている。轟川は特に赤土汚染の著しい河川の1つであることから、同支庁では「早急な対策が望まれる」として事業の実施を決めた。
 同支庁ではまた、市とともに設立の準備を進めている「石垣島周辺海域環境保全対策協議会」(仮称)の準備委員会で、この事業を紹介し、赤土対策の取り組みを議論するためのモデルケースにしていく考え。
 同事業で実施することを予定している主な工事は、ほ場のこう配の修正と瀘過排水路の設置、沈砂池の改修。今後、詳しい調査を実施して、どのような改修を行うことが望ましいのか、具体的に詰めていく。
 瀘過排水路は、高分子化合物と砂、砂利を組み合わせた瀘過装置をほ場の周囲に設け、赤土を含んだ雨水を浸透させるもの。濾過装置を通過した水は、土中に埋め込んだ塩化ビニールの管から排出される。濾過装置の地上部分は、古タイヤや畦(うね)、樹脂(ゴム)で囲い、雨水が瀘過装置の上部にとどまりやすいように工夫する。
 グリーンベルトの設置も検討している。
 近年行われている土地改良では、耕地のこう配を3%程度に抑えているが、盛山地区の一部では5%のこう配を持っている耕地がある。耕地の傾きが大きすぎると、赤土が流れやすくなるため、今回の事業ではこれを3%に是正する工事も行う。

(八重山毎日1999年4月16日)


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