【石垣】八重山地域農業推進会議(議長・国仲元裕県八重山支庁農林水産振興課長)は十日、石垣市内で「土壌保全の日」を開催し、県内初のろ過排水路などを設ける県営水質保全対策事業の現場や、オオギバショウを周囲に植えた県の展示圃(ほ)などで現地検討会を行った。赤土流出を流出源で防ぐ取り組みが注目された。
白保海域に注ぐ轟(とどろき)川上流の盛山地区で本年度から五年計画で始まった県営水質保全対策事業(耕土流出防止型)は、受益面積が二十七ヘクタール、総事業費三億九千百万円。こう配を緩くするとともに、水を浸透させ暗きょから排水するろ過排水路を整備する。
畑の二辺に高さ三〇〜五〇センチのゴム板をめぐらせて排水溝に直接流れ込まないようにし、その内側に幅一メートルのグリーンベルトを設ける。その下に、高分子化合物、砂、砂利を組み合わせた浸透層をつくり、塩化ビニール製のパイプから水を排出する。さらに沈砂池を組み合わせるなどして多段的に赤土を捕らえる仕組みで、これまでの対策に比べメンテナンスの負担を軽くするのが狙い。事業を進めながらさらに技術的な検討をしていく方針。
開南地区に設けた約一ヘクタールの展示ほ場では、赤土流出を防ぐためオオギバショウや牧草を植えたグリーンベルトを設置している。「四〇ミリの雨で汚濁度は六〇ppmだった。隣の対照区は五〇〇ppm以上で計測不能。十倍以上の効果がある」と説明。「技術が確立すれば、公共事業としてやっていきたい」と述べた。
オオギバショウが成果を上げている例として石垣市平得の仲田園芸も訪問した。仲田正子さん(六四)は、台風被害を防ぐために試行錯誤をした結果、オオギバショウにたどり着いた経過を紹介。「作物に害もない。種をとって農家に普及したい。赤土にもいいし、牛のさくにもいいと皆さんに教えられている」と話した。
(1999.06.11 琉球新報朝刊 9頁 経済 写真有)
(NIFTY:琉球新報記事検索より転載)