現代沖縄研究科の理念・目的

沖縄大学大学院 現代沖縄研究科の理念・目的

 本研究科の理念・目的は、現場志向、ネットワーク志向、学際志向を基本的な姿勢として、地域社会と一体となって問題と格闘するなかから、地域の自立的発展のための研究や問題解決の方法を構築することである。
 沖縄は米軍基地が高密度で集中し、それが地域の住民の平和を脅かすという、日本と東アジア、太平洋地域、あるいは日米関係の矛盾が先鋭的にあらわれている場である。また、沖縄は亜熱帯気候の島嶼という自然環境を有しており、水資源、エネルギー、食料などを含めて、地域の持続的な発展可能性の課題をかかえる地域でもある。

 このような現実的で実践的アプローチを必要とする地域のかかえる課題に取り組んでいくには、現代沖縄の社会・文化・政治・経済・歴史・思想といったさまざまな面に関する深い理解が不可欠である。
 また、人文社会科学の諸分野の成果を総合し、「民間学」として出発した、近現代の沖縄学を批判的に継承するとともに、沖縄の社会や文化を新たな視点で解明していく必要がある。そのためには、近隣のアジア諸地域との比較や関係性の探究を通じて、沖縄社会を考察していくことが重要となる。とくに、東アジア地域を視野に入れることで、それが沖縄社会をより多面的なものとして、複眼的に考察する視点が与えられ、複雑に錯綜した現代の沖縄社会の構造的な分析に寄与することにつながる。

 また、沖縄において、公共政策や産業育成、まちづくりを含めた地域社会の新たな発展という課題に挑戦していくには、従来以上に、行政と地域の住民、さまざまな組織や企業体、そして大学や研究機関など、多様な主体が連携・協働して地域社会を創造し、運営していくという発想が必要となる。

 地域社会が抱えるさまざまな課題に取り組むためには、経済、法、社会、政治等にかかわる諸学問領域のみならず、環境や生態、都市計画等の諸分野の知見と総合させながら、実践的に探究する姿勢が重要である。

 本研究科が取り組む現代沖縄研究は、地域社会の諸課題に応え、地域社会の発展に寄与するものである。同時に、現代沖縄研究が対象とする諸課題のなかには、研究や実践における先例が乏しく、依拠すべき体系となる学問領域が必ずしも存在しない場合も多い。本研究科は、地域の住民の立場にできるだけ寄り添って自ら試行錯誤しながら探究するという現場志向、さまざまな視点やアプローチによって現場にかかわっている主体と連携していくというネットワーク志向、そして、既存の学問領域を複合させながら課題に取り組むという学際志向による研究の発展をめざす。

沖縄大学大学院の外観