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2021年度 琉球弧研究支援プロジェクト

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タイトル研究の目的研究者・成果
1.『泡盛の現在-沖縄の若者たちの泡盛観-』2014年に県内で実施された大学生を対象としたアンケートにおいて、約65%の若者が泡盛を飲まないという結果が出ていたことを知った。そのデータを見て、沖縄の伝統文化である泡盛が、このままでは需要が減って生産量が減少し、やがて泡盛文化そのものがなくなってしまうのではないかという危機感を覚えた。そこで、本研究では、泡盛そのものの歴史や文化継承のあり方についてまずは調べ、それから、昨今の新型コロナウイルス感染拡大における非常事態宣言や時短営業、不要不急の外出自粛などによって飲食店での消費が急激に落ち込む中で、どのようにすれば泡盛文化を途絶えさせることなく継承させていくことができるのか、特に「沖縄の若者と泡盛」に焦点を絞って課題点を探りたいと思う。最終的には、広く県外の人々にも泡盛について知ってもらい、県内の若者たちが地元の泡盛を誇りに思うようになって欲しいと願っている。研究者:安里一希
            研究成果はこち
            
2.『沖縄の化石を用いた古環境の解析』沖縄本島の地質別の化石を用いて沖縄の古環境を解析してまとめる。研究者:大城響
            研究成果はこち
3.『近世期における琉球の国家プロジェクト18世紀、琉球王国では三司官の蔡温主導のもと様々な国家プロジェクトが実施された。昨年度、琉球弧研究支援制度を活用して「近世琉球における首里の士族社会について―乾隆年間の河川改修事業を中心に―」と題した研究を行った。当該研究の目的は、国家プロジェクトの一つである治水事業にどのような士族が動員されていたのかを家譜資料を通して比較・分析を行い、その分析結果を基に士族達が治水事業に配属された背景を明らかにすることであった。結果として、多くの「首里系士族」が動員されていたことが明らかとなり、当時、琉球で社会問題となっていた士族の人口増加を要因とする士族の就労難問題が背景にあると考えられた。しかし、前回の研究では、数多くある国家事業の一部分しか見ておらず、国家事業が士族の失業対策事業として位置づけられていたかどうかを結論づけることは困難であった。そのため、今回の研究では、治水事業と同時期に実施された蔡温による国家事業の概要を整理し、各事業を結びつけることで、近世期における琉球の国家プロジェクトの歴史的背景と全体像とを明らかにしたい。そして、当時の首里士族社会の実態解明にも役立てたいと考えている研究者:兼城夏芽
            
4.『清代琉球王国の進貢貿易について―進貢品の分析を中心に―』進貢貿易に関する研究は中日両国で盛んであり、その研究蓄積は豊富である。琉球の進貢貿易は、明清時代の中国(宗主国)を主体とした「冊封・朝貢体制」によって実施されたものであり、中国が朝鮮や東南アジア諸国との間で行った朝貢貿易とともに多くの先行研究が存在する。一方で、琉球から中国に進呈された貿易物品については、あまり研究蓄積がなく、いまだ不明な点が多い。理由としては、琉球の進貢システムの中で、進貢品が規定化され、物品一つ一つを調べてみると、項目ごとに時代変遷があり、内容も数量も変化していえることが分かる。 そこで本研究では、どのような物品が琉球から中国へ送られたのか、それらの物品はいつ、どのようにして琉球側が調達したのかなど、物品に関する総体的な研究を行いたいと考えている。物品の内容が変化する背景には、その時々の中国・琉球双方の需要と供給の変動が関係しているため、物品を通して当時の中琉両国の時代状況や社会状況を探ることができると期待している。研究者:毛 屹峰
            研究成果はこち