『学内を先生と散歩』⑤学内を飛び出して!世界遺産探訪!
沖縄大学の、意外に知られていないモノや穴場スポットを紹介する企画。最終回は『学内を飛び出して、先生と散歩』!
最終回は経法商学科の前田舟子先生にご紹介いただきます。
前田先生のゼミでは定期的に大学近くでのフィールドワークを行っています。今年度初回の講義ではゼミ生が大学近くの苗字や歴史を調べたいとのことで、この日(4月16日)は3年次ゼミが国場・上間・寄宮・長田地区を調査していました。
上間地区を調査していたチームは公民館にも立ち寄り、聞き取り調査を行いました。ちなみに上間地区で一番多かった苗字は「大城」だという調査結果でした。
真嘉戸川(上間地区にある井戸)を見学。
前田ゼミでは大学近くの世界遺産、識名園や首里城等へと足を延ばすこともあります。
世界遺産 識名園
識名園は18世紀の終わりごろ(一説には1799年)に作られた琉球王家最大の別邸で、国王一家の保養や外国使臣の接待等に利用された場所です。天然痘や麻疹などの感染病が流行した際に、国王はここ識名園に避難しました。1813年には、尚育王が識名園で誕生しています。
庭園を見渡す御殿にはお茶を楽しむために、調理から時間がたったものを再度温める現在の電子レンジのような役割をした場所(御茶湯御酒羹所)も見ることができます。識名園の中心にある池(漢字『心』草書体を形どった池)はかつてはここで舟を浮かべて遊んでいました。池からあふれる水は滝となって流れ出ています。
育徳泉(とてもきれいな湧き水が流れていて、尚育王の冊封使は「(味は)まるで甘酒のようだ。一口飲めば寿命が延びる」と碑文に記している。)魚も泳いでいます。
木々のマイナスイオンが感じられる遊歩道。
展望台(勧耕台) この高台から南部方面の大パノラマの景色を一望できます。
勧耕台から海を眺めようとした冊封使は海が見えないことに驚き、琉球の国土の広さを実感したそうです。
中国の風水等も取り入れた建築物や森林浴もできる場所なので、敷地内を歩いていると心が浄化されると識名園の魅力について前田先生は話してくれました。古の琉球王国時代に、もてなしの庭として整備されていた識名園。当時の写真をもとに現在は植樹され、植物が豊かに育ち、蝶なども優雅に飛び回っています。
琉球史を専門に研究されている前田先生と歩く歴史探訪の時間はとても贅沢な時間です。とても魅力的な名所が沖縄大学から車でわずか5分のところにあるのはいいですね。前田ゼミのなかには、識名園の六角堂の謎を追究したレポートを書いた学生もいるそうです。ぜひみなさんも息抜きに訪れてみてはいかがでしょうか。
経法商学科准教授 前田舟子先生
専門:琉球史、東洋史
新入生へメッセージ:人生を豊かにする鍵は“好奇心”だと思います。大学でたくさん学び、たくさんの人と出会って、大学生活を大いに楽しんで下さい。