「こどもまんなかアクション」リレーシンポジウムin沖縄を本学で開催
2025年8月22日(金)、沖縄大学にて「こどもまんなかアクション」リレーシンポジウムin沖縄(主催:沖縄県こども未来部こども若者政策課、共催:こども家庭庁・沖縄大学)が開催されました。
本シンポジウムは、「沖縄県こども・若者計画(未来のおきなわっこプラン)」に基づき、こどもや若者が主体的に社会に参画する意義を広く共有し、「誰一人取り残さないこどもまんなか社会」の実現をめざすものです。当日は、子育て当事者、教育関係者、自治体職員など、多様な立場の方々が参加し、熱気ある議論が交わされました。
第1部:基調講演と取組報告
まず、大城肇副知事が開会の挨拶に立ち、「子どもを真ん中に据えることは、沖縄の未来を支える基盤づくりそのもの。子どもや若者の声を尊重し、政策に反映していきたい」と述べました。
続いて、こども家庭庁の安里賀奈子室長は「こども・若者は社会の単なる受益者ではなく、意見を表明し社会に参画する権利を持つ主体である」と強調しました。また、意見を聴く機会を大人が保障し、それを政策や地域活動に実際に反映させることの重要性を訴えました。
沖縄県こども未来部の井上満男課長からは、「未来のおきなわっこプラン」に沿った県の具体的な施策が紹介されました。特に、子どもの権利条約の理念を踏まえた施策の推進、子どもの貧困対策や教育支援の充実、自治体・学校・地域が連携して「誰一人取り残さない社会」を目指す取り組みが語られました。
ゲスト講演では、牧野アンナ氏が自身の指導経験を交え、「子どもたちは一人ひとりが可能性を持っている。大人がその声をしっかりと受け止め、共に成長していくことが必要」とメッセージを送りました。特に「子どもに寄り添うことは、未来の社会をともに築くことにつながる」と熱く語り、参加者の心に響く内容となりました。
第2部:学長挨拶と学生発表
山代寛学長は挨拶で、「社会は声をあげることから変わり始める。こどもや若者が主体的に社会に関わり、自らの言葉で意見を表明することは、地域の未来をつくる大切な一歩である」と述べました。また「大学は、学生が地域や社会と交わり、課題を見出し、解決策を共に考える場であるべきだ」と語り、本学が地域に根差した教育を重視する姿勢を強調しました。
その後、授業「国際開発とSDGs」のフィールドワークで取り組んだ調査・提案について、学生を代表して南風原町を調査したチームが発表しました。学生たちは住民アンケートやヒアリングを通じて、子どもや若者の地域参画の現状と課題を整理しました。
その上で、次のような具体的な提案を行いました。
- 「町の先生制度」
地域の大人がそれぞれの得意分野や経験を活かし、子どもたちに教える仕組み。子どもにとって学びの機会を広げ、大人にとっても地域に関わる場を増やすことができる。 - 「子ども広報隊」
子どもや若者が地域の出来事を自ら取材し、発信する仕組み。SNSや広報誌を通じて「子どもの目線」で地域の魅力や課題を伝えることをめざす。 - 地域イベントへの若者参画
町のお祭りやイベントの企画段階から子ども・若者が関わることにより、世代間交流を促進し、地域の持続性を高める。 - 愛ディアコンテストの開催
子どもや若者から地域づくりの提案を募り、優秀なアイディアを実際の政策や企画に反映する仕組み。
など、地域ぐるみで子どもや若者の参画を促す具体的な提案を行いました。
発表を受けて、こども家庭庁や沖縄県の関係者、牧野氏からは「地域を丁寧に調べ、子どもの視点を活かした提案は大変意義深い」「実現すれば、子どもや若者が主体的に社会に関わるきっかけとなる」「地域に愛着をもち、参画の形を模索する姿勢がすばらしい」といった評価がなされ、学生の取り組みに大きな期待が寄せられました。





