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2026.01.15#イベント

研究プロジェクト公開講座「琉球から見た八重山・八重山から見た琉球」実施報告

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2026年1月10日(土)、石垣市大浜公民館において、沖縄大学地域研究所による研究プロジェクト公開講座「琉球から見た八重山・八重山から見た琉球」を開催しました。

本講座は、八重山と琉球の関係を、歴史・文化・人の移動といった視点から捉え直すことを目的として実施されたものです。

当日は、地域住民を中心に多くの参加者が集い、講演と対談を通して、地域の歴史や社会の成り立ちについて理解を深める機会となりました。

開会挨拶
「古謡の魅力と大浜古謡愛好会の活動について」

開会にあたり、大浜古謡愛好会会長の大濵俊晴氏より、八重山の古謡についての話がありました。古謡が、人々の生活や祈り、歴史と結びつきながら歌い継がれてきたものであること、また大浜古謡愛好会として行っている保存・継承の取り組みについて紹介がありました。地域に根ざした文化が、現在までどのように受け継がれてきたのかが語られました。

講演1
「八重山・ソト・ウチ・カコ・イマ」

賀数仁然氏の講演では、八重山と琉球の関係について、人の移動や交流の歴史を手がかりに整理が行われました。

八重山は、古くから人や文化が行き交う場所であり、琉球との関係も時代や状況によって変化してきたことが示されました。「ソト(外)」「ウチ(内)」という区分についても、固定されたものではなく、歴史的な文脈の中で形成されてきた概念として説明がありました。

講演では、こうした視点を踏まえながら、当時の八重山と琉球の関係がどのように形成され、捉えられていたのかについて説明が行われました。

講演2
「戦後八重山開拓移民と共同売店」

宮城能彦氏の講演では、戦後の社会状況を背景に、本島から八重山諸島へ移り住んだ人々の歴史が取り上げられました。

人口増加や生活基盤の変化の中で、石垣島や西表島などへ移住した人々が、慣れない土地で農業や生活を営みながら地域社会を形成していった過程について、具体的な事例を交えて説明がありました。また、移民として八重山に渡った人々と、もともと地域に暮らしていた人々との関係性についても触れられました。

あわせて、共同売店が物資の供給拠点としてだけでなく、移民を含む住民同士の生活を支える場として機能していたことが紹介され、戦後八重山における地域社会の成り立ちが示されました。

対談
「琉球から見た八重山、八重山から見た琉球」

講演後の対談では、賀数氏と宮城氏が登壇し、八重山と琉球をめぐる歴史認識や視点の違いについて意見を交わしました。同じ沖縄であっても、立つ場所や経験によって、歴史の捉え方や語られ方が異なることが示され、複数の視点から地域の歴史を捉えることの重要性が共有されました。