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2026.03.10#イベント

2025年度 第9回 沖縄大学地域研究公開講座(開催報告)★YouTube動画あり

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2026年2月24日(火)、2025年度第9回沖縄大学地域研究公開講座沖縄県における臓器提供体制の在り方について考える」をオンラインで開催しました。

本講座は、沖縄大学地域研究所の研究班による研究「沖縄県の臓器移植に関する法・政策・倫理―より多くの命を救うために―」の一環として実施されたものです。臓器移植が生命に直結する医療である一方、ドナー不足により救えない命がある現状を踏まえ、沖縄県における臓器提供体制の課題と可能性について、多角的に検討しました。はじめに、研究代表の富山侑美准教授(経法商学部)が、臓器移植における「本人の意思」と「家族の同意」の関係に焦点を当て、法制度上の構造と倫理的課題を整理しました。現行法では、本人が臓器提供の意思表示をしていた場合でも家族の同意が必要とされる点や、脳死判定との関係などについて解説し、今後の検討課題を提示しました。また、渡航移植をめぐる無許可あっせん事件にも触れ、移植医療の公正性と適正な制度運用の重要性を指摘しました。

続いて、沖縄県保健医療福祉事業団 臓器移植コーディネーターの仲間貴氏より、沖縄県における臓器提供の現状とコーディネーターの役割について報告がありました。提供から移植までの調整業務、患者家族への支援、医療機関との連携、県民への普及啓発活動など、実務の具体的内容が紹介されました。全国で移植を待つ方が多数いる一方、移植件数は限られている現状が共有され、意思表示と家族間での話し合いの重要性が改めて示されました。

最後に、那覇市立病院 看護部教育担当師長の仲本雪美氏より、臓器提供施設連携体制構築事業の取り組みと、院内ドナーコーディネーターとしての実践が紹介されました。臓器提供を支えるためには、個人の対応だけでなく、病院全体としての体制整備や人材育成が不可欠であることが強調されました。

本講座を通して、臓器移植医療を地域でどのように支えていくかについて、法・医療・看護の各立場から理解を深める機会となりました。