第619回土曜教養講座「性犯罪と刑事司法のいま―<ジェンダー・女性・地域>の視点で問い直す―」を開催しました
7月18日(土)、沖縄大学地域研究所では、第619回土曜教養講座「性犯罪と刑事司法のいま―<ジェンダー・女性・地域>の視点で問い直す―」を開催しました。
本講座は、本学全学研究プロジェクト「現代沖縄におけるジェンダー・女性・地域の総合研究」の一環として開催したもので、2023年の刑法改正を踏まえ、性犯罪をめぐる刑事司法の現状や課題について、多角的な視点から考えることを目的として実施しました。
基調講演では、矢野恵美氏(琉球大学法科大学院教授/琉球大学法務・コンプライアンス担当副理事・副学長/琉球大学ヒューマンライツセンター長)が、2017年及び2023年の刑法改正を中心に、性犯罪規定の変遷や不同意性交等罪の創設、性犯罪裁判、性犯罪者処遇などについて解説しました。また、法改正だけでなく、被害者支援や再犯防止、ジェンダーの視点を踏まえた教育の必要性など、性犯罪を刑事司法全体の視点から捉えることの重要性について講演しました。
続いて、親川裕子氏(沖縄大学地域研究所特別研究員・非常勤講師)より、沖縄県内で37件の性犯罪裁判を継続的に傍聴した調査結果をもとに、裁判の傾向や家庭・親族内事件の特徴、被害者を取り巻く課題などについて報告が行われました。裁判の現場から見えてきた実態を通して、性犯罪をめぐる刑事司法の現状と課題について考察が示されました。
その後、富山侑美氏(沖縄大学経法商学部准教授)と森川恭剛氏(琉球大学人文社会学部教授)によるコメントが行われました。
富山氏は、2023年刑法改正において「同意」が重視されるようになった意義や、実際の裁判事例をもとに「同意」を司法がどのように認定しているのか、その難しさについて解説しました。
また、森川氏は、親川氏の調査研究の意義を評価するとともに、法改正によって未成年の性暴力被害が刑法上より明確に位置付けられたことや、不同意性交等罪をめぐる理論的課題について専門的な立場からコメントしました。
最後に、若林千代氏(沖縄大学経法商学部教授)の進行のもと、参加者から寄せられた質問に登壇者が回答し、性犯罪をめぐる法制度や刑事司法の現状について理解を深める機会となりました。





