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SPECIAL INTERVIEWS

謝花久乃さん

「謝花きっぱん店」代表  

謝花久乃 さん (「謝花きっぱん店」代表  )
17歳へ。

直感に従って、今を一生懸命生きれば
おのずと道は広がっていく。

1977年、那覇生まれ。那覇の高校から関西大学英語英文科に進学し、交換留学で1年間イギリスへ。卒業後、再びイギリスに渡ってロンドンの大手金融系企業に就職し、アナリストとして働く。結婚、出産を含む10年に渡る海外生活を経て、実家の家業であった「謝花きっぱん店」を父から引き継ぐために帰沖。琉球王朝時代から300年続く銘菓、「きっぱん」と「冬瓜漬」の6代目継承者として、現代のライフスタイルに合わせた新しい味や食べ方を考案し、“伝統”の未来を日々切りひらいている。

  • 9

    17歳のころの夢を聞かせてください。

    高校生のときは、やっぱり外に目が向いていましたね。沖縄は小さすぎて狭いから、外に行きたい!県外に行きたい!海外に行きたい!と。そのころは実家のお店を継ぐ気は全然なくて、自分は自分でやりたこと、好きな英語を生かして、とにかく海外で暮らしたい!と思っていました。

  • 9

    海外に出て、気がついたことはありましたか?

    実際に海外に住んでみたら、沖縄の良さをものすごく実感しました。「沖縄ってすごい宝の島だな」と思えたし、だから外に出て良かったなぁと。

    たとえば、イギリスと比べたらご飯はおいしいし、人もやさしいし、自然もいっぱいあるし。生きていくのに不自由のない生活が、本当にカッコつけなくてもできるから(自分が)素のままでいられる。沖縄は子育てもしやすい環境だと思います。

  • 9

    今の仕事に就いたきっかけは?

    「もう体力の限界でしんどいから、そろそろお店を閉めようかな」という父の一声です。

    子どものころからうちのお菓子(きっぱん・冬瓜漬)が大好きだったので、無くなってほしくないと思っていましたし、私の年代ならば、うちのお菓子を知ってもらうためにもっといろいろと発想を広げられるんじゃないかなと。パリで、パット・ドゥ・フリュイというよく似たお菓子を食べたときに可能性を感じたので、とりあえず「やってみようかな」と思いました。

    イギリス人の夫に相談したら、彼が空手をやっていたこともあって、「沖縄に行ってもいいよ」と言ってくれて。イギリスでの住宅ローンとか、娘2人の子育ても落ち着いたころだったので、家族4人でスムーズに沖縄に帰ってくることができました。

  • 9

    お店を継いでみて、大変なことはありましたか?

    もう、毎日大変です。

    子どものころからお店の仕事は見ていましたけれど、見ているだけと、実際にやってみるのとでは大違いで、このお菓子をつくるのは、ものすごく体力が必要。父がやってきたことをできるだけ真似するように努力はしていますけれど、やっぱり手の大きさも違うし、まったく同じようにはできないですから。

    (お菓子の材料になる)冬瓜も生きものだから、毎日同じように作っても同じものが出来上がるわけではないですし。でも逆に、そこがこの仕事の面白いところでもあるし、大変な部分でもあります。

  • 9

    お店を継いでみて、手応えを感じたことはありますか?

    このお菓子がもともと持っていた歴史を大切にしながら、でも、今の人たちに伝えるためには、ちょっとモダンにリフレッシュさせなければと思っていました。

    そこが私の腕の見せ場でもあるので、現代のライフスタイルに合わせていろいろなアレンジをしてきて、ロゴやパッケージを新しくしたり、新しい味や食べ方を提案したりすることで、新たなお客様の層を開拓することができました。

    たとえば、冬瓜漬は泡盛に合わせたらすごく美味しいんです。生ハムやチーズに合うので、ワインとの相性もすごくいい。あとは、スコーンやテリーヌに刻んで入れてみたり。フレンチのお店や会員制の泡盛BAR、リゾートホテルのレストランなど、メニューに取り入れてくださるところも増えました。

    冬瓜漬を抹茶やココナッツで包んだり、伊江島のラム酒やシークヮーサーに浸けた新しい味や組み合わせには、おばあちゃんの代からのお客様も含めて、皆さんとても感動してくださいます。

    300年以上前からある、琉球の王様に献上されていたお菓子が今でも食べられていることは、とてもすごいことですよね。このお菓子の存在が琉球の歴史そのものだと思いますし、とても手間ひまのかかるお菓子ですけれど、「沖縄の宝」としてずっと守っていきたいという想いがあります。

    「守る」というより、「育てている」といったほうがいいかも知れません。肩肘をはって「守ろう」とすると、息切れしてしまいますから。自分も楽しみながら、「食べたいな」と思うものをつくっていくと、皆さんも喜んでくださいますね。

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    大切にしている言葉はありますか? 

    It’s not what you know it’s who you know.
    イギリスのことわざみたいなもので、直訳すると「何を知っているかではなく、誰を知っているかだ」。

    自分の知識よりも、人との付き合いとか人脈が大事だよということ。何かあったときに助けてくれるのは、やっぱり心と心でつながっている人ですから、信頼できる友達をつくることは大事です。

  • 9

    あなたのモットーは?

    楽しく生きたい!です。楽しく健康であれば、それだけでいいと思います。ポジティブなエネルギーや言葉を発していれば、やはり人も寄ってきてくれますし。

    私はこれまで、すべて直感で生きてきたので、直感に従って「これが正解だった」とあとから思えるように、その正解に近づいていく努力をするようにしています。

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    疲れたときは、どんなふうにリフレッシュしていますか?

    気持ちを切り替えたいときはオンラインヨガとか、瞑想をしたりしますね。ひと呼吸整えて深呼吸したり、腹式呼吸したり。これはイギリスにいるときからやっていますけれど、気分をリフレッシュする手助けになっています。

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    沖縄の17歳に伝えたいメッセージはありますか?

    もう本当に、直感に従って心をきれいにして、今を一生懸命生きれば、おのずと道は広がっていくと思います。

    私は海外に行って、外から見てきたので沖縄の良さがよくわかるんですけれど、ずっとここにいる沖縄の子たちは、まだ自分の周りにあるものの良さに気づけていないと思うから、そこに気づいてもらえたらいいかな。

    イギリスにいるときに、BBC(イギリスの国営放送)で沖縄の番組を観ました。自然が豊かで、独特の文化がある長寿の島…まるで“マジカルアイランド”みたいな発信の仕方で、海外から見る沖縄はとても魅力的に見えました。

    実際に暮らしていると、もちろん違うと思う部分はありますけれど、理想に近づくように努力をしていけばいいんじゃないかなと思います。